最近のベトナム人技能実習生、ベトナム人私費留学生をめぐる様々な報道等への雑感

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最近のベトナム人技能実習生、ベトナム人私費留学生をめぐる様々な報道等への雑感

 最近、日本にいらっしゃる方々の間で身近にいるベトナム人私費留学生やベトナム人技能実習生のことが話題にのぼることが増えてきているようです。その一方で、一昨年、昨年、今年と、テレビや新聞、SNSなどで、ベトナム人私費留学生やベトナム人技能実習生が引き起こした事件が報じられる件数が増加しているのではないかと思われます。ベトナム人私費留学生やベトナム人技能実習生ではありませんが、今年(2017年)は、非常に残念なことに、来日されて日本に在住されているベトナム人のご家族の小さいお子さんが殺害されるという痛ましい事件も起きてしまいました。

 10年前にはほとんど考えられなかったことですが、特に最近数年間、日本に滞在、在住しているベトナム人、特に日本各地に滞在、在住するベトナム人私費留学生とベトナム人技能実習生が急増してきていることで、それまでベトナムベトナム人とまるで縁がなかった人たちの間でもベトナムベトナム人の存在感が増しているのではないかと思っているのですが、当エントリーをお読みいただいているみなさまは、いかがお感じですか。

1. 2017年12月12日に放映された「ガイアの夜明け」について

 2週間ほど前(2017年12月12日)にテレビ東京系の「ガイアの夜明け」という番組で、外国人技能実習生の問題が取り上げられ、多くの方々の話題になったようです。

 テレビ東京のウェブサイトでその番組の内容を紹介しているようで、今日(2017年12月26日)確認したかぎりでは下記URLで放映された番組も視聴できるようです。ご覧になっていない方々は下記ページをご覧になってください。

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber4/preview_20171212.html
"絶望職場"を今こそ変える!

 当社/当センターのほうでも番組を視聴したもので、重要なのではないかと思ったことや気になったことを数点挙げてみます(大変すみません、当社/当センターが重要だと思った点、気になった点を中心にまとめたものであり、詳細に関しては放映された番組の録画をお確かめいただければ幸いです)。

 番組の前半では、日本の受け入れ監理団体とベトナムでの送り出し機関を取り上げています。取り上げているのですが、番組で取り上げられている日本の某受け入れ監理団体とベトナムの某送り出し機関の半ば以上PR、宣伝になってしまっているのではないかと思わないでもありませんでした。番組では比較的良心的に監理事業をしていると取り上げられていた日本の受け入れ監理団体とベトナムでの送り出し機関が話し合いを行い、送り出し機関が実習生から取得する費用を500USD下げるという回答をしたらしき場面が放映されたようなのですが、その送り出し機関ではベトナム人技能実習生からいくらぐらい取得していたのかははっきりと示されなかったようです(大変すみません、もしかしたら見落としているだけかもしれません、お気づきになった方々がいらっしゃいましたら、ご指摘いただければ幸いです)。番組では日本の監理団体によるベトナム人実習生への調査でベトナムで7000USD前後の手数料等の諸経費を支払っていると回答しているところが映し出されていたようですが、もしその同じ番組に登場していたベトナムの某送り出し機関がその技能実習生を送り出しているのであれば、番組で大々的に取り上げたほど良心的、模範的にやっているところというわけでもないかもしれません。

 ベトナムの送り出し機関が日本の受け入れ監理団体を接待している実態や日本の受け入れ監理団体がベトナムの送り出し機関にコミッションを要求しているという証言も放映されていました。当社/当センターは技能実習業界関係の業務を行っておらず(正確に申し上げますと、将来の事業として、介護職の技能実習生への日本語教育と関連サポートには関心、興味を持っているのですが、プロジェクト等はスタートしていません)、実際にそのようなことが行われているのかということに関して十分に状況把握しているとは言いかねるのですが、ベトナムハノイ市で比較的良心的に事業を行っている(らしき?)送り出し機関の関係者の方(々)に照会したところ、放送されたことに該当するようなことはある、という内容のコメントをいただきました。

 番組の後半では、岐阜県にあるアパレル企業の孫請け会社で実習をしていた中国人技能実習生が賃金未払いで苦しめられている状況が取り上げられていました。当社/当センターのほうでもそのような違法行為を行う企業や関係者が存在していると思わず驚いてしまいましたし、番組を視聴された多くの方々の間で話題を呼んだのもわかるような衝撃的な内容ではないかと思いました。
 当社/当センターは関連する法律、法令に関して詳しくないのですが、現時点の当社/当センターの見解は、番組で取り上げられていた縫製企業は違法行為を行っていたのではないか、その孫請け企業に仕事を発注していた発注元の某アパレル企業にも責任があるのではないか、と考えています。大変すみません、詳しいことを十分把握していないのですが、もし仮に番組に登場していた孫請け企業の社長、発注元企業、孫請け企業の弁護士の主張が間違いではなく現行の法律には違反していない、ということでしたら、現行の技能実習制度の法律、法令そのものの欠陥(の一部)が露呈したのではないか、とも思います。

2. 「ガイアの夜明け」で取り上げられていなかったこととは?

 実は、先日の「ガイアの夜明け」では取り上げられなかったようですが、日本で操業する大手自動車会社の孫請け会社、曾孫受け会社や野菜や果樹の農園主や農家、干物加工業者や牡蠣業者のような水産業者、コンビニエンストアのおにぎり工場や弁当工場などでも外国人実習生は「実習」(実質はほぼ「労働」?)しているようです。

 技能実習業界関係者の方々や技能実習生が身近にいらっしゃる方々はよくご存知かと思われるのですが、技能実習生の実習は名目上は「実習」ですが、実習生受け入れ先企業や農家では労働力として使われているところがほとんどのようで、実習生は建前は「実習」であるもののその実態はほぼ「労働」、大半は「単純労働」に従事しているようです。しかしながら、厚生労働省法務省は外国人実習生は「実習」を行っているのだという建前的な見解、見方を固持しているようです。

 現在の技能実習生の「実習」を「労働」と位置付けるかどうかということに関しては、議論のあるところかと思われ、現状に合わせて「労働」であることを認め、そのことを出発点に制度そのものを変更すること、制度を一新することが必要ではないかいう議論も行われているようです。

 現在の技能実習生の「実習」を「労働」と位置付けるかどうかは議論のあるところかと思われるのですが、現行の制度でも技能実習生に対しては安全の講習等が義務づけられており、技能実習生の労働時間に応じて日本の各地域の最低賃金最低賃金を超える賃金が支払われることになっています。

 そのようなことからすれば、「ガイアの夜明け」で取り上げられていた中国人実習生を雇用していたにもかかわらず最低賃金も支払っていなかった縫製企業は、現行の法律、現行の技能実習制度の目的とすることからしても、明白な違法行為を行っていたのではないでしょうか。どうして大々的な事件にならないのか、当社/当センターのほうではわかりかねています。

3. ローソンの社長が「コンビニエンスストアの運営業務に外国人技能実習生を」と主張

 コンビニエンスストア大手のローソン社長の竹増貞信氏は、外国人技能実習制度の対象職種にコンビニ運営業務を追加するべきであるということを主張されているようで、昨日(2017年12月25日)の朝日新聞に記事が掲載されたようです。

https://www.asahi.com/articles/ASKDQ5V5JKDQULFA02P.html
ローソン社長「外国人技能実習は必要。コンビニ追加を」

 もし仮にローソンの社長の主張していることが実現されるようになった場合、コンビニエンスストア業界関係者にとっては、既存のビジネスモデルを大きく変えることがなく多人数の外国人労働者を「実習」という名目で活用できるという可能性があるように思われるので、コンビニエンスストア業界関係者にとっては大きなメリットがあるのかもしれません。

 多くの方々がご存知のようにコンビニエンスストアでは実はすでに相当の人数の外国人が運営業務、接客業務を行っているのですが、その大半は私費留学生のようです。ご存知の方々も少なくないのではないかと思っていますが、現在(2017年の時点で)「日本のコンビニエンスストアや飲食店で目にする外国人店員」は主にアルバイトの私費外国人留学生で、外国人技能実習生はコンビニエンスストアや飲食店で運営や接客はしていません(そのようなことがあり、アルバイトのベトナム人私費留学生の活用にも熱心な(ようである)ローソンの社長が、外国人技能実習生の職種にコンビニエンスストアの運営業務を加えるように主張しているのだろう、と推測しています)。

 当社/当センターのほうでは、コンビニ各社がむりやりにでも24時間営業を継続させたいために外国人留学生のアルバイトを動員してがんばらせているというような現状が日本の大都市の一部ではあるようだと聞いていて、そのような状況を懸念しています。コンビニエンスストアでアルバイトする外国人私費留学生をさらに増やすというようなことをする以前に、そもそもコンビニエンスストアの24時間営業を維持するのを止めればいいのではないか、特に深夜帯の利用者が少ない店舗の24時間営業に合理性はあるのだろうか、と思うのですが、そのようなことを申し上げると、コンビニ業界関係者の方々には非常に煙たがられるようで、残念に思っています。

4. 「コンビニの店員に外国人技能実習生」の次は「飲食店の店員に外国人技能実習生」?

 申しわけありません、要確認情報なのですが、数年前にある技能実習業界関係者の方からお聞きしたお話によると、日本の飲食店業界の有力関係者の方々の一部は技能実習生を外食産業でも実習させることができるよう制度改正を働きかけているようだ、とのことのようです。

 仮にコンビニの店員として技能実習生を実習させることが実現したとしたら、おそらくその次は飲食店の店員として技能実習生を実習させるという流れになるのではないでしょうか。

 日本の外食業界、外食大手チェーン店はそのような見込み(?計画?)を実現させることを視野に入れ始めているのではないか、と推測しています。

5. 厚生労働省法務省が掲げている技能実習制度の建前論で乗り切れるのか?

 日本の技能実習制度の建前が破綻しているのではないか、ということは少なからぬ技能実習業界関係者も言っているようであると聞いていますが、前にも述べているように、厚生労働省法務省は外国人実習生は「実習」を行っているのであり「労働」ではないという建前論を依然として固持しているようです。

 数年後になるのか十数年後になるのかよくわかりませんが、仮にほんとうにコンビニエンスストアの店員や飲食店の店員として外国人技能実習生を「実習」させる法律ができて、実際に外国人技能実習生が「実習」しているのが日常風景になったとしても、日本の厚生労働省法務省は依然として(半ば以上空理空論と承知しつつも)日本の技能実習制度の建前としての実習の意義を繰り返し説き、人手不足が要因ではない、と白々しく説明を行っているのかもしれません。

 ご参考までに、厚生労働省法務省が掲げている技能実習制度の建前論に関しては、当社/当センターのブログ、以前のエントリーでも取り上げている朝日新聞の記事、

http://www.asahi.com/articles/DA3S13236259.html
「技能」海渡らぬ現実

http://www.asahi.com/articles/DA3S13236212.html
技能実習」建前に限界 帰国者大半、関係ない職

では、日本とベトナム両国の技能実習業界関係者の方々から技能実習制度は発展途上国への技術移転が建前であるもののベトナムでは帰国後に日本での「実習」がいかされていないケースが大半ではないかというコメントを引き出し、技能実習生の来日用件を満たすために実習生(候補)の経歴詐欺が常態化、極端な場合は実習生(候補)の経歴詐欺のために架空会社を設立することまで行われているようだ、ということが報じられています。

 また、昨年(2016年11月)の読売新聞にも、「外泊の『罰金』50万円 過酷労働「来日を後悔」」という記事や「8ヵ月殻むきばかり 技術習得『計画は名目』」という記事のような技能実習制度の意義や建前論を本質的に疑問視する記事が掲載されたようです(が、内容が濃い良質な記事にもかかわらず、読売新聞のウェブサイトには見当たりませんでした(該当する記事の情報をご存知の方(々)がいらっしゃいましたら、ご教示いただけませんか)。

 大手新聞の一部の先鋭的で本質的な問題提起とは比較して、先日放映された「ガイアの夜明け」の番組もそうですし、先日の「ガイアの夜明け」に限った話ではないのでしょうが、建前と実態が乖離し過ぎてわかりにくく複雑な技能実習制度をテレビ番組で取り上げ本質に迫るのは相当難しいのかもしれない、ということも感じさせられています。

6. 日本のテレビ番組や新聞が技能実習制度や私費留学制度を扱う難しさ

 余談になりますが、日本の私費留学制度も大きな制度的、実務的な問題を抱えているようで、特にベトナム人私費留学生の問題に関しては先日のNHK

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4073/index.html
「追いつめられる留学生 〜ベトナム人犯罪“急増”の裏側で〜」

という番組で取り上げられていました。その番組そのものは大きな反響を呼び、当社/当センターも問題提起としては有意義だったのではないかと判断し、下記のエントリー、

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20171207/
2017年12月5日NHKクローズアップ現代+ベトナム人私費留学生をめぐる問題が取り上げられたようです

で好意的な評価をしたのですが、後日、そのエントリーをご覧になったというNHKの番組制作者の方から様々なご質問をいただくことになってしまいました。大変失礼なご指摘かとは存じますが、そのNHKの制作関係者の方から(当社/当センターにとって)相当失礼な質問までされたことで不愉快な思いをさせられてしまい、また、番組で取り上げた日本の私費留学の問題点に関しても十分ご理解されていないのではないかと見受けられる点も少なからずあり、相当がっかりさせられた、ということがありました。

 もっとも、建前と実態が乖離していて必要以上にわかりにくく複雑になっているという点に関しては、技能実習制度も私費留学制度も相当類似していると言えなくもないように思われます。わかりやすさを優先させなければならないことが使命であろうテレビ番組や新聞の記事では、特に取り上げるのが難しいテーマなのかもしれず、それにもかかわらず、技能実習生の問題や私費留学生の問題を取り上げられてこられた関係者の方々に敬意を表したいと思っています。

7. 外国人技能実習生やアルバイトの外国人私費留学生の活用を考えることと同時に取り組んでみたほうがいいことは?

 以前、日本の人材紹介派遣業界の方々に、外国人の活用を考えるのと同時に、リストラされた中高年管理職の方々や就職氷河期世代で正社員になれなかった方々、家事手伝いでずっときてしまった方々の雇用や活用も考えてみてはいかがですか、とご提案したことがあったのですが、苦虫を噛み潰したような表情で舌打ちされてしまっただけでした。

 今後、当社/当センターのほうでは、日本の主に東京都内、神奈川県の川崎市横浜市などで、日本での日越通訳サービス・日越翻訳サービス、日本人の方々を対象としたベトナム語クラス、ベトナム語レッスンの場のご提供とともに、ベトナム人私費留学生の方々をはじめとする日本に比較的長期滞在、在住されるベトナム人の方々との交流や支援の活動を行うことを検討しているのですが、本来は氷河期世代の日本人の方々のサポートをするほうがはるかに重要で有意義なことなのだろうと考えています。しかし、当社/当センターには荷が重い業務かと思われるので、当社/当センターはやれることをやります。

 以前のエントリーの末尾に書いたことの繰り返しになってしまうのですが、もし篤志家の方々や有志の方々、ベトナム人にかぎらず外国人留学生を支援、応援されたいという方々からご支援いただけるようでしたら、ベトナム人私費留学生の方々との交流や支援の活動の件も検討だけで終わらずに実現に踏み出せるかもしれません。もしご興味、ご関心をお持ちの方々がいらっしゃいましたら、当社/当センターのEmail:anhsaoinfo@gmail.comへご連絡いただければありがたく存じます。よろしくお願い申し上げます。

 当エントリーが日本やベトナムベトナム人技能実習生やベトナム人私費留学生のことにご関心やご興味をお持ちの方々、テレビ東京の2017年12月12日放映の「ガイアの夜明け」の番組をご覧になった視聴者の方々、番組の制作に関わった方々のご参考になれば幸いです。

 よろしくお願いいたします。

当社/当センターまでご連絡、お問い合わせください

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 ご連絡は当社/当センターのEmail:anhsaoinfo@gmail.comまでよろしくお願いいたします。 

在ベトナム日本大使館が日本留学説明会で注意喚起を行ったようです

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ベトナム日本大使館が日本留学説明会で注意喚起を行ったようです

 今日(2017年12月15日)、NHKのニュースで、昨日(2017年12月14日)、ベトナム北中部のタインホア省で在ベトナム日本大使館が日本留学説明会を開催し注意喚起を行ったということが報じられていました。

 下記のニュースです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171215/k10011259441000.html
ベトナム人留学生 犯罪に手を染めぬよう 大使館が注意喚起

 大変すみません、当社/当センターが把握している範囲では、NHKのウェブサイトに掲載されているニュース記事は一定期間が経過した後は削除されてしまうことが多いようでもあるので、下記に全文引用しておきます(引用に際して、段落の行頭は1字分スペースを空けておきました)。

ベトナム人留学生 犯罪に手を染めぬよう 大使館が注意喚起
12月15日 5時32分
 日本で学ぶベトナム人留学生が、留学に際しての借金の返済に困り犯罪に手を染めるケースが後を絶たないとして、ベトナム日本大使館が現地の高校生を対象に説明会を開き、注意を呼びかけました。
 日本国内の日本語学校などで学ぶベトナム人留学生はことし6月現在、6万9000人余りと5年前の8倍近くに急増しています。
 その一方で授業料や寮の家賃などを前払いするため100万円を超える多額の借金をしたものの、返済に困り、犯罪に手を染める留学生も増えています。
 こうした問題に対応しようと、ベトナム日本大使館は14日、北部のタインホア省で日本への留学を希望する高校生を対象にした説明会を開きました。
 大使館の担当者は、一部の留学あっせん業者や日本語学校が、日本に行けば勉強しながら働くことができたくさん稼げるとか、日本語をきちんと学ばなくても給料の高い仕事ができるなどと持ちかけ、生徒を勧誘しているとして注意を呼びかけました。
 そのうえで、留学に際しては正しい情報を集めることが重要だと訴えました。
 日本大使館の担当者は「ベトナム若い人たちは間違った情報を信じて、多額の借金を抱え経済的に苦しんでいる。正しい情報をもっと伝えていかないといけない」と話していました。

 在ベトナム日本大使館の職員の方々がベトナム人の留学希望者に注意すべきことを伝えるという取り組みをされるようになったことは、大変有意義なことであると思っています。しかし、当社/当センターとしては、次に述べるように大変残念な点もあるのではないかと思っています。

在越日本大使館のご対応は遅いのではないでしょうか?

 今回のタインホア省での説明会は、大変意義深い取り組みであるとは思っています。しかしながら、2017年年末になってからそのようなことをされているということに対して、ご対応が非常に遅いのではないかということを感じさせられています。

 当社/当センターの数年前のエントリーで恐縮ですが、当社/当センターのブログでは、その当時、下記のようなエントリーを公開して注意喚起を行っていました。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20110812
ベトナムの一部の留学センター/留学斡旋会社が行っている疑わしい宣伝行為

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20120330
最近数年間のベトナムハノイの日本留学斡旋会社/留学センターの動向

 大変残念ですが、当社/当センターの注意喚起は、多くの日本やベトナムの方々にご関心やご興味を持っていただけたとは言いがたく、その後のベトナムの日本私費留学ブーム(日本留学ブームというべきものかどうかは議論があるところでしょうが)は当社/当センターがその当時懸念したような状況に陥ってしまっています。

 もちろん、注意喚起を行っていたのは、当社/当センターだけではなく、日本では堀江学氏のような識者の方もいらっしゃいました。最近1、2年は日本の大手新聞や地方新聞でベトナム人私費留学生やネパール人私費留学生の問題が大きく取り上げられるようになり、先日のNHKの番組は大きな話題を呼んだことは、当エントリーをお読みいただいている方々はご存知のことかと思われます。

 ベトナムでは、2013年秋に放映されたベトナムのテレビニュースで日本留学に関する問題点が報道されたようです(←エントリーの上段はベトナム語の説明ですが、下段に日本語もあります)で取り上げたベトナムのテレビ局による日本への私費留学の注意喚起のニュースや一昨年(2015年)の"Thanh Niên"の連載記事等もあります。

 当社/当センターのほうでは、おそらく在越日本大使館は、数年前から「日本での高額アルバイトで学費も生活費もまかなえる」等の虚偽情報を謳っている日本留学会社、日本留学センターが相当の数存在していることを把握されていたのではないかと推測しています。

 在越日本大使館や日本政府がベトナムで説明会等を開催することで注意喚起を行うべきだった時期は、5、6年前の2011年後半から2012年、2013年にかけての危なっかしい私費留学会社、私費留学センターがどんどん増加、拡大、拡張していた時期だったのではないでしょうか。

今後もベトナム各地で定期的に注意喚起のための説明会を行っていただけますようお願いいたします

 それにしても、なぜ12月のこの時期に、しかも、タインホア省というハノイから200キロメートル前後も離れた省で私費留学に関する注意喚起を行う説明会が行われたのだろうか、ということは、不思議に思っています。

 在ベトナム日本大使館のほうで、注意喚起のため説明会を行うということは決まっていて、現在のベトナム人私費留学生の問題が相当大きな話題になっているタイミングで、NHKが在越大使館の説明会開催をニュースとして取り上げた、ということなのかもしれません。もしくは、申しわけないことに当社/当センターの推測に過ぎないのですが、もしかしたら今回の説明会は、NHKにしては相当よく取材してあり大きな問題点も取り上げられていた先日のクローズアップ現代+に対する大きな反響を受けて行われることになったという可能性も多少はあるのかもしれません。

 どのようなご事情があったのか詳しいことは把握しかねていますが、いずれにせよ、上記にも述べている通り、在ベトナム日本大使館の職員の方々がベトナム人の留学希望者に注意すべきことを伝えるという取り組みをされるようになったことは、大変有意義なことであると思っています。

 もし可能なようでしたら、今回タインホア省での1回かぎりの取り組みで終わらせず、ベトナム各地で定期的にそのような説明会を行っていただけないでしょうか。特にベトナム人私費留学生が多数留学しているようであるバックニン省、バックザン省、フートー省、ハイズオン省の4省は重点的に私費留学の注意喚起の説明会を開催していただけるようご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

 日本の師走のご多忙な時期、タインホア省での説明会に関わられた在ベトナム日本大使館の担当者の方々、職員の方々、関係者の方々、おつかれさまでした、そして、ありがとうございました。

関連情報

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4073/index.html
追いつめられる留学生 〜ベトナム人犯罪“急増”の裏側で〜

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20171207
2017年12月5日NHKクローズアップ現代+ベトナム人私費留学生をめぐる問題が取り上げられたようです

 当社/当センターのエントリーです。ベトナム人私費留学生の問題を取り上げたNHKクローズアップ現代+のことをまとめています。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170228
当社/当センターのベトナムでの日本留学関連事業、一時休止のお知らせです

 当社/当センターの以前のエントリー、日本留学事業の一時休止のお知らせです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20160422
「国際貧困ビジネス」としての日本の日本語学校経営に関する一考察

 当社/当センターの以前のエントリーです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20150509/
2015年、最近のベトナムからの日本留学の状況

 当社/当センターの以前のエントリーです。

当社/当センターまでお気軽にご連絡、お問い合わせください

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2017年12月5日NHKクローズアップ現代+でベトナム人私費留学生をめぐる問題が取り上げられたようです

 Anh Sao Co.,ltd(アンサオ)/のぞみ日本語センターです。ベトナムの首都ハノイベトナム北部で翻訳・通訳、コンサルティング・リサーチ、教育・研修等のサービスをご提供しています。

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アンサオ人材開発会社(Anh Sao co.,ltd)/のぞみ日本語センター

です。よろしくお願いいたします。

2017年12月5日NHKクローズアップ現代+ベトナム人私費留学生をめぐる問題が取り上げられたようです

 大変すみません、当エントリーをご覧の方々はご存知かもしれませんが、一昨日(2017年12月5日)、NHKの「クローズアップ現代+」というニュース番組で、ベトナム人私費留学生をめぐる問題が取り上げられたようです。番組は24分前後で、「追いつめられる留学生 〜ベトナム人犯罪“急増”の裏側で〜」と題されていました。

 NHKのウェブサイト中の下記ページに、上記の番組の詳細な内容が掲載されているので、ご参照ください。

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4073/index.html
追いつめられる留学生 〜ベトナム人犯罪“急増”の裏側で〜

 当社/当センターのほうで番組を視聴し上記のページを読んで、ポイントになるのではないかと思われることを数点挙げてみます(大変すみません、当社/当センターが重要だと思った点を中心にまとめたものであり、詳細に関しては放映された番組の録画か上記のURLをご確認いただければ幸いです)。

1. 問題提起としては成功したのでは?

(今回の特集で取材に関わられた方々には大変失礼かもしれませんが、)NHKにしては相当よく取材してあり、大きな問題点も取り上げられていたのではないかと思われます。当社/当センターにとっては、以前NHKのニュース番組の取材にご協力させていただいたもののがっかりさせられた件があったこともあり、意外でした。また、一部の日本語学校関係者の方々は番組を(矮小化して)日本語学校を貶めるものだと批判されていたようですが、番組は日本の日本語学校に対する単なるネガティブキャンペーンやレッテル貼りに留まらず、大枠でベトナム人私費留学生を取り巻く深刻な状況が報じられていたのではないかと感じています。問題提起の第一弾としては成功したのではないでしょうか。

2. ベトナムでの偽造書類の横行等、重大な問題が取り上げられていた!

 ベトナムの私費留学業者への取材や識者として出演された出井氏のご指摘に関してはやや単純化し過ぎている箇所や正確さに欠けるところがないわけはないように思われたのですが、それほど大きく間違えていないように思いましたし、重要なポイントが押さえられていたのではないかと思っています。もしかしたらテレビの視聴者の方々のために正確だがわかりにくいという部分をあえてわかりやすく端折ったという面もあったのかもしれません。

 特にベトナム人の私費留学で相当の割合で偽造書類が使用されているにもかかわらず、ベトナム人私費留学生を受け入れている日本の日本語学校が(学費ほしさに)黙認してしまっているという実態を報じていたことはとても重要なことだったのではないかと思われます。

 ベトナム人の私費留学で相当の割合で偽造書類が使用されていることに関しては、一昨日(2017年12月5日)のNHKニュースでも報じられていたようです。下記に引用する箇所です。

 職員の男性は「ベトナムでは、日本語学校に留学すれば来日するためのビザをいちばん簡単に取得できると考えられている。出稼ぎ目的の留学生をたくさん集めれば学費を稼ぐことができ、ビジネスになる。いちばん大切なのは学費を多く集めることだ」と話しています。
 留学生として来日するためには学費の支払い能力などを証明する書類を提出し、入国管理局の審査を受ける必要がありますが、職員の男性は「書類のほとんどはねつ造で、ベトナムではお金を払えばどんな書類も偽造できる。ベトナムでは農業をしている人が多いが、年収200万や300万円など、稼ぐのが難しい数字が書かれている書類もよく見かける。自分が働いている日本語学校も書類が偽造されていることに気付いているが、学生がほしいので見て見ないふりをしている」と話しています。

3. ベトナム人私費留学生にも一定の責任があるのでは?

 当社/当センターのブログでは1年半ほど前のエントリーでも約1年前のエントリーでも述べていることですが、アルバイトで稼ぐことが主目的の私費留学の本分を履き違えたベトナム人留学生、ベトナムの「日本で勉強しながらの高額アルバイト」を謳う金儲け優先の日本留学エージェント、日本で国際貧困的ビジネスを手掛ける日本語学校、いずれも大きな問題があるのではないかと考えています。

 今回の番組では、無理して私費留学したことが一因(主因?)で万引き事件を起こし逮捕されてしまったベトナム人女性のインタビューが放映され、大変お気の毒だと思ったのですが、そのことと同時に違和感も感じてしまいました。

 最近数年間ベトナムでは多くのマスメディアが日本への私費留学で大きなトラブルや被害、事件にあったベトナム人元(現)留学生や家族を取材し、悪質な行為をはたらく日本留学エージェントやひどい対応の日本の日本語学校の手口を解説し、安易な日本の私費留学に対して度々警鐘を鳴らし注意喚起を行っているようです。

 そのことに加え、ベトナムの日本留学エージェントに巧みに勧誘されたのであっても私費留学の大変さに思い至らないことはあまりにも見識不足、知識不足でしょうし、アルバイトで稼ぐことが主目的というベトナム人に至っては、私費留学の本分を履き違えているのではないか、と思ってしまいます。

 仮に今回取材を受けていた逮捕されてしまったベトナム人女性が様々な面からしっかりと日本での私費留学のことを調べれていれば、無理をしてまで私費留学生として来日しなかったという可能性が高かったのではないか、と想像しています。

 番組とは関係ありませんが、先日よりベトナムハノイには日本留学を支援する独立行政法人であるJASSO(日本学生支援機構)の事務所が置かれるようになったようで、在ベトナム日本大使館や日本領事館、独立行政法人国際交流基金等と密接な連携を取りながら、金融業者への借金等無理をしての私費留学やアルバイトが主目的の私費留学が行われないように、日本政府としてもJASSOとしても、すでに行っている在ベトナム大使館ウェブサイトの注意喚起等に加えて、しっかりと地道にPR活動や広報を多面的に継続していただけることを強く願っています。

4. 日本の外国人私費留学生を支援、応援する取り組みは?

 一昨日(12月5日)の「クローズアップ現代+」の番組の最後のほうで福島県郡山市に住んでいらっしゃる方の支援の取り組みが紹介されていましたが、日本では留学生、特に私費留学生が抱えているトラブルや悩みに対して相談や解決をサポートする機関や団体がほとんどないようですね。

 大変すみません、留学生のトラブルや悩み相談に対して公的機関や既存の団体がどのような対応をしているのか十分把握していないのですが、少なくとも東京都の外国人相談窓口となっている公的機関や団体のリスト等を見るかぎりでは、対応言語にベトナム語がないところも多いようで、当社/当センターが多少調べた範囲では、ベトナム人私費留学生の相談先としてどちらの公的機関や団体がいいのかはっきりしたことはわかりませんでした。日本にいる外国人留学生、特にベトナム人留学生やネパール人留学生、もし余力があるようなら、スリランカ人留学生、ミャンマー人(ビルマ人)留学生に関しても、それぞれの国に特化しそれぞれの国の主要言語に対応できる公的機関か民間団体が必要とされているのかもしれない、と思いました。

 一部の日本語学校関係者の方々は、日本政府や各地の地方自治体に期待を寄せられているようですが、一般論として私費留学生も含めて留学生は日本での留学資金を十分保有しているということで来日しているはずなので、行政が関わる場合は支援の目的、意義が問われることになり、行政の支援は限定された形になるかもしれません。私費留学生に関しては受け入れている日本語学校や専門学校、短大、大学が率先して行うべきだという論もあるのかもしれませんが、実際のところ、多くの日本語学校や専門学校は自校の留学生の対応で手一杯のようで、他校に在籍している留学生のトラブルや悩みに対応する余裕がほとんどないという状況のようです。

 その他の重要なこととして、ベトナム人私費留学生(、ネパール人私費留学生も?)は日本語学校で学習している時間だけでも相当の日本語学習時間勉強しているはずなのですが、そのわりにはそれほど日本語能力が伸びていない人が多い、という不思議な(?)現象があるようで、日本でベトナム人私費留学生の日本語学習、日本語補習のニーズがどのぐらいあるのか調査する必要があるかもしれないと考えています。本来は日本語学校や専門学校、大学の授業できちんと十分な日本語能力や専門的な能力や知見が身に付けられるのが理想だろうとは思っています。当社/当センターが把握している範囲でも、ベトナム人私費留学生に関しては、現状そのような理想的な状況とは相当かけ離れているのではないかと思われるので、解決の方向を見出すお手伝い、サポートができたら幸いであると思い、検討しています。

 別の問題として、日本の日本語学校に勤務されている複数の教師の方々のTwitter、ツイートを拝見すると、相当過酷な生活環境におかれているベトナム人私費留学生やネパール人私費留学生も少なくないようで、そのような人たちに対して何かできることはないのだろうのかということも考えているのですが、残念ですが考えが及ばず、それに関しては相当難しいのではないかと感じています。

 資金や場所がまかなえる、確保できるのであれば、当社/当センターのほうでも上記のような検討事項を実行に移したいとも思っているのですが、今年2月のエントリーでお知らせしていますように、当社/当センターは日本への私費留学が向かない人には勧めないという方針でやっていたことや偽造書類を用いた申請を行わないという原則でやっていたことのため、また、当社/当センターの実力不足のせいもあり、ベトナムの私費留学ブーム(の濁流?)にうまくのれずに、日本留学事業を休止することになってしまったこともあり、自社/自センター事業として行うのは困難な状況です。

 日本語教育業界内外の篤志家の方々や有志の方々、外国人留学生を支援、応援されたいという方々からご支援いただけるようでしたら、検討だけで終わらずに実現に踏み出せるかもしれません。もしご興味、ご関心をお持ちの方々がいらっしゃいましたら、当社/当センターのEmail:anhsaoinfo@gmail.comへご連絡いただければありがたく存じます。よろしくお願い申し上げます。まあ、当エントリーをお読みいただいている方々でそのような方々はなかなかいらっしゃらないかもしれないと思っていますが、思わずそのようなことを検討してみたくなったというぐらい、当社/当センターにとっては、今回の番組は興味深いものでした。

 最後になりますが、当エントリーが日本やベトナムで日本留学関連事業に関わっていらっしゃる方々、日本にいるベトナム人私費留学生のことにご関心をお持ちの方々、NHKの2017年12月5日放映の「クローズアップ現代+」の番組をご覧になった視聴者の方々、番組の制作に関わった方々のご参考になれば幸いです。

 よろしくお願いいたします。

関連情報

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4073/index.html
追いつめられる留学生 〜ベトナム人犯罪“急増”の裏側で〜

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171205/k10011247651000.html
日本語学校急増 5年で200校以上新設 背景に人手不足か

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170228
当社/当センターのベトナムでの日本留学関連事業、一時休止のお知らせです

 当社/当センターの以前のエントリー、日本留学事業の一時休止のお知らせです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20160422
「国際貧困ビジネス」としての日本の日本語学校経営に関する一考察

 当社/当センターの以前のエントリーです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20150509/
2015年、最近のベトナムからの日本留学の状況

 当社/当センターの以前のエントリーです。

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朝日新聞に日本の技能実習制度の建前が破綻しているのではないかという記事が掲載されているようです

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朝日新聞に日本の技能実習制度の建前が破綻しているのではないかという記事が掲載されているようです

Chúc mừng ngày nhà giáo!! 今日(11月20日ベトナムは「教師の日」というイベント・デーですね。ベトナムではお世話になっている/お世話になった教師にプレゼントを贈る習慣があるようです。みなさま、良い1日をお過ごしください。

 大変すみません、ベトナムの「教師の日」らしからぬトピックかもしれませんが、今日(2017年11月20日)の朝日新聞(東京版)紙版の1面、2面に掲載されている「『技能』海渡らぬ現実」、「『技能実習』建前に限界」と題された記事は、当社/当センターのブログ、エントリーをお読みいただいている方々にはぜひお読みいただきたいと思いまして、簡単にその記事をご紹介させていただきたいと思っています。

 朝日新聞社のウェブサイトでは、

http://www.asahi.com/articles/DA3S13236259.html
「技能」海渡らぬ現実

http://www.asahi.com/articles/DA3S13236212.html
技能実習」建前に限界 帰国者大半、関係ない職

という2本の記事に該当するようです。

 記事の1面(ウェブサイト上の記事では1本目の記事)には、イイダ靴下というベトナム人技能実習生を受け入れている会社、イイダ靴下という会社で以前「実習」していたもののベトナム帰国後(縫製業には就かず)日本語教師として活躍されているベトナム人の方が登場します。その記事によると、そのイイダ靴下で「実習」したベトナム人111人のうちベトナム帰国後縫製業の仕事をしているのは4名だけであり、(記事の2面の該当箇所も参照しますに)ベトナム帰国後に日本語教師をしている人が一番多い、とのことです。実はイイダ靴下で「実習」してベトナム帰国後縫製業の仕事をしている4名のうち、3名は昨年(2016年)イイダ靴下が合弁でつくった工場で働いている、ということも明かされています。イイダ靴下会長の飯田氏の『技術がベトナムに渡っていない』というコメントが紹介されています。

 2面(ウェブサイト上の記事では2本目の記事)に掲載されている記事では、そのイイダ靴下で「実習」したベトナム人のケースだけではなく、日本とベトナム両国の技能実習業界関係者の方々から、技能実習制度は発展途上国への技術移転が建前としてあるが、ベトナムでは帰国後に日本での「実習」がいかされていないケースが大半ではないか、という内容のコメントを引き出しているようです。

 さらに、その記事では、技能実習生の来日用件を満たすために実習生(候補)の経歴詐欺が常態化しており、極端な場合は実習生(候補)の経歴詐欺のために架空会社を設立することまで行われているようである、ということが書かれているようです。

 その他、記事には、日本政府の全額出資で日本国民の税金が投入された「外国人技能実習機構」という管轄団体が新設されたことも触れられており、技能実習の建前が形骸化しているようであれば税金投入の意義が問われるべきではないかという識者の方のご見解が取り上げられており、最後に、一連の取材記事のまとめとして、日本政府の場当たり的な外国人受け入れ政策を批判する論説が載せられているようです。

 日本、ベトナム両国の技能実習業界関係者の方々だけではなく、日本、ベトナム両国のビジネスや交流事業、日本語教育事業に関わられている方々にとっても必読の記事なのではないかと思い、やや端折った形ではありますが、記事の内容をご紹介させていただきました。

 詳しい記事の内容に関してましては、今日(2017年11月20日)の朝日新聞の記事をお読みいただければ幸いです。

 当エントリーがみなさまのご参考になれば幸いです。

 今後ともよろしくお願いいたします。

当社/当センターのブログ、関連エントリー

 当社/当センターのブログで日本の技能実習制度、ベトナム技能実習生(候補)のことを取り上げている主な関連エントリーは下記の通りです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20171025
とてもわかりにくい日本の介護職の技能実習生受け入れ制度

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170925
2017年9月下旬時点の日本で介護職に就くことを希望するベトナム人へのサポート、フォロー事業の現状報告です

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170620
日本で介護職に就くことを希望するベトナム人のサポート、フォローを行う準備をしています

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170429
ベトナムから日本への介護職ベトナム人技能実習生受け入れの難しさ1

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20160913
介護の技能実習生として行けると思い込んで翻弄されるベトナム人のこと

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20140725
NHKの「クローズアップ現代」7月9日放映の番組に感じた違和感

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20131224
近年のベトナム技能実習生(研修生)派遣機関の動向の概要――主に日本語教育に関して

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日本語っぽいベトナム語ではほとんど言いたいことは伝わりません

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日本語っぽいベトナム語ではほとんど言いたいことは伝わりません

 どうしてなのかよくわかりませんが、日本で出版されている大半のベトナム語の教科書や参考書には日本語のカタカナがベトナム語のフレーズや言葉の上方や下方、または、隣のスペースにふられていることが多いようです。多くのベトナム語の教科書や参考書にふってあるカタカナをそのまま音声にした日本語(っぽいベトナム語)は、ベトナム人とコミュニケーションするときに通じるでしょうか、はたして役に立つことがあるのでしょうか。

 日本でベトナム語を学習されている方々は大変残念だと思われるかもしれませんが、多くの教科書や参考書でベトナム語のフレーズや言葉にふられている日本語のカタカナはほぼ役に立たないようであり、ベトナム語フレーズや言葉に添えられているカタカナを読み上げても、ほとんどの場合ベトナム人には理解してもらえないだろうと思われます。日本語っぽいベトナム語ではほとんど言いたいことは伝わりません。

 よく知られていることですが、少なからぬ日本人や日本語母語話者が話すあまりに日本語っぽい英語の発音は、英語の母語話者に伝わりにくい、なかなか伝わらない、ということがあるようです。日本語っぽい発音のベトナム語は、日本語っぽい発音の英語よりさらに伝わりにくいようであり、伝わらない確率がとても高いように思われます。

 ベトナム語の特徴の1つとして、母音が11種類(、または、数え方によっては12種類)あることが挙げられます。母音が5つしかない日本語を母語話者とする日本人(や日本語母語話者)にとって、日本語のカタカナ風発音でとらえることによりベトナム語の母音の判別がしにくくなり、かえって混乱してしまうということがあるのではないかと思われます。その他の点として、ベトナム語は6つの声調を持つ言語(ハノイベトナム北部で話されているベトナム北部の言葉を基本とする標準語の場合)であり、正しい声調で言葉や文を発音することはとても大切です。言うまでもないことなのですが、ベトナム語の声調を日本語のカタカナで表すことはできません。また、子音の種類も日本語より多いということがあり、日本語にはない音もあるようです。こと発音に関しては、ベトナム語の習得はけっして容易ではないのかもしれません。

 現在、当社/当センターの日本人スタッフは、日本でベトナム語を教えているベトナム人ベトナム語母語話者の教師の方々や日本でベトナム語を学習されている日本人や日本語母語話者の方々からお話をお聞きしているのですが、多くの場合、ベトナム語の教師をされている方々が学習されている方々の日本語っぽいベトナム語の発音を許容してしまっているようです。極端なケースでは、一部の教師の方々がご自分の教え方は棚上げされる一方で、「ほとんどの日本人は口が不器用だからベトナム語の学習には不向きだ」というような内容のことを明言されていたということさえありました。学習者の能力や技能の向上をはかるべく努力しなければならない教師の立場にあるにもかかわらず、大変残念なことだと感じてしまいました。

 当社/当センターでは、現在日本で教えている多くのベトナム語教師の方々が許容してしまっているようである日本語っぽいベトナム語の発音に対してはあまり極端な形での妥協をしないよう十分な注意を払いつつ、日本でのベトナム語学習でもそこそこ以上のベトナム語コミュニケーション能力が身に付き成果が挙がる(、そして、できるかぎり楽しく学べる)日本人向けに特化したベトナム語教育プログラムをつくろうと考えています。

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ベトナム北部のサパで観光地化が進んでいるようです

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ベトナム北部のサパで観光地化が進んでいるようです

 ベトナム北部の中国国境と接するラオカイ省にサパ(Sa Pa)という小さな街があり、景色がとてもきれいな街、モン族やザオ族といった少数民族が居住する地域として知られています。サパはベトナムで最も高い山として知られるファンシーパン山ベトナム語は"Núi Phan Xi Păng")の登山口にもあたります。サパは標高1500メートル以上に位置することもあり、1年を通じて冷涼な気候で、毎年2、3回ほどに過ぎないようなのですが、冬には雪が降ることがあるようです。

 10数年前ぐらいまではサパの街も小ぢんまりとして街自体もなかなか趣のあるところであったようなのですが、観光地や避暑地として知られるようになってきて、サパでは市街が拡大しているようで、観光地化が進んでしまっているようです。下記の"Tuoi Tre"の英文記事はその様子を写真で紹介した記事です。

https://tuoitrenews.vn/news/lifestyle/20171024/mass-tourism-changes-vietnams-sa-pa/42228.html
Mass tourism changes Vietnam's Sa Pa

 実は、数か月前、当社/当センターの日本人スタッフも10数年ぶりにサパに行ってみたのですが、中心部からやや外れるといたるところに建設中の建物があり、お土産物屋や観光客向けのレストランが大幅に増えていて、あまりの変わりように驚かされました。

 サパの街の観光地化は、ある意味では、ベトナムドイモイ政策以降比較的順調に経済発展していることの証拠であると言えなくもないのですが、街の中心部にレストランやホテルを所有するベトナムの主要民族のキン族の人たち(の一部?)が外国人観光客やベトナム人観光客相手のビジネスで成功し経済発展の多大な恩恵を受けているようである一方で、自動車やバイクが行きかう埃っぽい道路を少数民族の人たちが徒歩でとぼとぼ歩いているのを見ると(少なくともサパの街周辺では)経済発展の効果はあまり平等に分配されていないのではないかとも思われされました。

当社/当センターの日本人スタッフが撮影した写真

 当社/当センターの日本人スタッフがサパで撮影した写真をご紹介します。


写真1 サパの街で見かけた少数民族の人たち


写真2 ホテルやレストランが並ぶサパの目抜き通り


写真3 サパの街で見かけた建設中の建物
 当社/当センターの日本人スタッフがサパを訪問したときは、サパの街は建設ラッシュのようで様々なところで建物の建設が行われていた他、ところどころで道路工事が行われていて、街中はやや埃っぽい感じさえしました。


写真4 サパの街のランドマーク的存在である教会(Nhà Thờ Đá)


写真5 教会前に止まっていた観光用電気自動車

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とてもわかりにくい日本の介護職の技能実習生受け入れ制度

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とてもわかりにくい日本の介護職の技能実習生受け入れ制度

 当社/当センターのウェブサイトやブログのエントリーでも複数回お伝えしていますように、昨年(2016年)秋、外国人の在留資格に「介護」を新設する等の改正が含まれる「出入国管理及び難民認定法入管法)」の改正法案が可決されました。その法改正により、日本で介護福祉士の資格を取得した外国人が日本で働けるようになるようになったというだけではなく、外国人技能実習生の実習できる分野に介護が加わることにもなるようで、今日(2017年10月25日)から数日後の今年(2017年)11月1日から開始される新しい外国人技能実習制度では対象職種に介護が加わることになっているようです。。

 現在、当社/当センターのほうでは介護の現場をより広範により深く知るために、できるかぎり東京都や東京都近隣で介護関連のお仕事に就いていらっしゃる日本人の方々にお話をお聞きするように努めているのですが、現場でお仕事されている介護職従事者の方々や介護養成校の関係者の方々にお話させていただいたかぎりでは、介護職に就いていらっしゃる方々の間でも、

の区別をする必要があるということが十分理解されていないようであるということがあるようです。そのことに加え、現時点で当社/当センターが知っている範囲では、特に日本での介護職の技能実習生受け入れ制度は、介護職に就いていらっしゃる方々だけではなく、介護施設の経営や管理をされている立場の方々や外国人実習生の監理組合の方々もかならずしも十分理解されていないようであるように把握しています。

 介護業界関係者の方々や技能実習生業界の方々の間でも十分理解されていないようである日本の介護職の技能実習生受け入れ制度はわかりにくく、当社/当センターのほうではそのようなわかりにくい日本の介護職の技能実習生受け入れ制度の説明に頭を悩ませてきたのですが、今日(2017年10月25日)の毎日新聞社の介護の外国人技能実習制度に関する解説記事

https://mainichi.jp/articles/20171025/ddm/016/100/028000c
介護の外国人技能実習 新制度で来春以降始動

は、業界関係者にとっても相当わかりにくい新しい制度をポイントを押さえつつ比較的わかりやすく説明しているように思われます(細かい点に関しては端折っているところや誤解をまねきかねないところはあるようですが)。当エントリーをお読みの方々はぜひ記事をご一読ください。

 当社/当センターのブログのエントリー、
http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170429/
ベトナムから日本への介護職ベトナム人技能実習生受け入れの難しさ1
も、上記の解説記事をお読みいただいてから再度読み直していただければ十分ご理解いただけるのではないかと存じますが、いかがでしょうか。

 当エントリーが、日本の介護業界関係者の方々、介護職の技能実習生の送り出し・受け入れをされている方々、介護職の技能実習生(候補者)への日本語教育に関わっていらっしゃる方々にとって、多少なりともご参考になれば、幸いです。

 よろしくお願いいたします。

関連情報

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170429/
ベトナムから日本への介護職ベトナム人技能実習生受け入れの難しさ1
 当社/当センターのブログ、エントリーです。介護職のベトナム人技能実習生受け入れのときに大きな課題、問題になりそうなことをまとめてあります。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170418/
日本での介護職を希望するベトナム人留学生受け入れの際注意すべきことは?
 当社/当センターのブログ、エントリーです。介護職のベトナム人留学生受け入れのときに注意したほうがよいと思われる点をまとめています。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170925/
2017年9月下旬時点の日本で介護職に就くことを希望するベトナム人へのサポート、フォロー事業の現状報告です

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170620/
日本で介護職に就くことを希望するベトナム人のサポート、フォローを行う準備をしています

http://www.anhsao.org/AnhSaoNozomi_KaigonoNihongo.html
日本で介護職に就くことを希望するベトナム人留学生(候補)、介護職のベトナム人技能実習生への日本語サポート、関連サポート
 当社/当センターのサービスご提供のご案内です。大変すみません、現時点(2017年10月下旬の時点)では暫定的な状況で、適宜更新し、具体的な状況等をお伝えしたいと思っています。

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