在ベトナム日本大使館が日本留学説明会で注意喚起を行ったようです

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ベトナム日本大使館が日本留学説明会で注意喚起を行ったようです

 今日(2017年12月15日)、NHKのニュースで、昨日(2017年12月14日)、ベトナム北中部のタインホア省で在ベトナム日本大使館が日本留学説明会を開催し注意喚起を行ったということが報じられていました。

 下記のニュースです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171215/k10011259441000.html
ベトナム人留学生 犯罪に手を染めぬよう 大使館が注意喚起

 大変すみません、当社/当センターが把握している範囲では、NHKのウェブサイトに掲載されているニュース記事は一定期間が経過した後は削除されてしまうことが多いようでもあるので、下記に全文引用しておきます(引用に際して、段落の行頭は1字分スペースを空けておきました)。

ベトナム人留学生 犯罪に手を染めぬよう 大使館が注意喚起
12月15日 5時32分
 日本で学ぶベトナム人留学生が、留学に際しての借金の返済に困り犯罪に手を染めるケースが後を絶たないとして、ベトナム日本大使館が現地の高校生を対象に説明会を開き、注意を呼びかけました。
 日本国内の日本語学校などで学ぶベトナム人留学生はことし6月現在、6万9000人余りと5年前の8倍近くに急増しています。
 その一方で授業料や寮の家賃などを前払いするため100万円を超える多額の借金をしたものの、返済に困り、犯罪に手を染める留学生も増えています。
 こうした問題に対応しようと、ベトナム日本大使館は14日、北部のタインホア省で日本への留学を希望する高校生を対象にした説明会を開きました。
 大使館の担当者は、一部の留学あっせん業者や日本語学校が、日本に行けば勉強しながら働くことができたくさん稼げるとか、日本語をきちんと学ばなくても給料の高い仕事ができるなどと持ちかけ、生徒を勧誘しているとして注意を呼びかけました。
 そのうえで、留学に際しては正しい情報を集めることが重要だと訴えました。
 日本大使館の担当者は「ベトナム若い人たちは間違った情報を信じて、多額の借金を抱え経済的に苦しんでいる。正しい情報をもっと伝えていかないといけない」と話していました。

 在ベトナム日本大使館の職員の方々がベトナム人の留学希望者に注意すべきことを伝えるという取り組みをされるようになったことは、大変有意義なことであると思っています。しかし、当社/当センターとしては、次に述べるように大変残念な点もあるのではないかと思っています。

在越日本大使館のご対応は遅いのではないでしょうか?

 今回のタインホア省での説明会は、大変意義深い取り組みであるとは思っています。しかしながら、2017年年末になってからそのようなことをされているということに対して、ご対応が非常に遅いのではないかということを感じさせられています。

 当社/当センターの数年前のエントリーで恐縮ですが、当社/当センターのブログでは、その当時、下記のようなエントリーを公開して注意喚起を行っていました。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20110812
ベトナムの一部の留学センター/留学斡旋会社が行っている疑わしい宣伝行為

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20120330
最近数年間のベトナムハノイの日本留学斡旋会社/留学センターの動向

 大変残念ですが、当社/当センターの注意喚起は、多くの日本やベトナムの方々にご関心やご興味を持っていただけたとは言いがたく、その後のベトナムの日本私費留学ブーム(日本留学ブームというべきものかどうかは議論があるところでしょうが)は当社/当センターがその当時懸念したような状況に陥ってしまっています。

 もちろん、注意喚起を行っていたのは、当社/当センターだけではなく、日本では堀江学氏のような識者の方もいらっしゃいました。最近1、2年は日本の大手新聞や地方新聞でベトナム人私費留学生やネパール人私費留学生の問題が大きく取り上げられるようになり、先日のNHKの番組は大きな話題を呼んだことは、当エントリーをお読みいただいている方々はご存知のことかと思われます。

 ベトナムでは、2013年秋に放映されたベトナムのテレビニュースで日本留学に関する問題点が報道されたようです(←エントリーの上段はベトナム語の説明ですが、下段に日本語もあります)で取り上げたベトナムのテレビ局による日本への私費留学の注意喚起のニュースや一昨年(2015年)の"Thanh Niên"の連載記事等もあります。

 当社/当センターのほうでは、おそらく在越日本大使館は、数年前から「日本での高額アルバイトで学費も生活費もまかなえる」等の虚偽情報を謳っている日本留学会社、日本留学センターが相当の数存在していることを把握されていたのではないかと推測しています。

 在越日本大使館や日本政府がベトナムで説明会等を開催することで注意喚起を行うべきだった時期は、5、6年前の2011年後半から2012年、2013年にかけての危なっかしい私費留学会社、私費留学センターがどんどん増加、拡大、拡張していた時期だったのではないでしょうか。

今後もベトナム各地で定期的に注意喚起のための説明会を行っていただけますようお願いいたします

 それにしても、なぜ12月のこの時期に、しかも、タインホア省というハノイから200キロメートル前後も離れた省で私費留学に関する注意喚起を行う説明会が行われたのだろうか、ということは、不思議に思っています。

 在ベトナム日本大使館のほうで、注意喚起のため説明会を行うということは決まっていて、現在のベトナム人私費留学生の問題が相当大きな話題になっているタイミングで、NHKが在越大使館の説明会開催をニュースとして取り上げた、ということなのかもしれません。もしくは、申しわけないことに当社/当センターの推測に過ぎないのですが、もしかしたら今回の説明会は、NHKにしては相当よく取材してあり大きな問題点も取り上げられていた先日のクローズアップ現代+に対する大きな反響を受けて行われることになったという可能性も多少はあるのかもしれません。

 どのようなご事情があったのか詳しいことは把握しかねていますが、いずれにせよ、上記にも述べている通り、在ベトナム日本大使館の職員の方々がベトナム人の留学希望者に注意すべきことを伝えるという取り組みをされるようになったことは、大変有意義なことであると思っています。

 もし可能なようでしたら、今回タインホア省での1回かぎりの取り組みで終わらせず、ベトナム各地で定期的にそのような説明会を行っていただけないでしょうか。特にベトナム人私費留学生が多数留学しているようであるバックニン省、バックザン省、フートー省、ハイズオン省の4省は重点的に私費留学の注意喚起の説明会を開催していただけるようご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

 日本の師走のご多忙な時期、タインホア省での説明会に関わられた在ベトナム日本大使館の担当者の方々、職員の方々、関係者の方々、おつかれさまでした、そして、ありがとうございました。

関連情報

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4073/index.html
追いつめられる留学生 〜ベトナム人犯罪“急増”の裏側で〜

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20171207
2017年12月5日NHKクローズアップ現代+ベトナム人私費留学生をめぐる問題が取り上げられたようです

 当社/当センターのエントリーです。ベトナム人私費留学生の問題を取り上げたNHKクローズアップ現代+のことをまとめています。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20170228
当社/当センターのベトナムでの日本留学関連事業、一時休止のお知らせです

 当社/当センターの以前のエントリー、日本留学事業の一時休止のお知らせです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20160422
「国際貧困ビジネス」としての日本の日本語学校経営に関する一考察

 当社/当センターの以前のエントリーです。

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20150509/
2015年、最近のベトナムからの日本留学の状況

 当社/当センターの以前のエントリーです。

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