西村昌也氏の思い出

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アンサオ人材開発会社(Anh Sao co.,ltd)/のぞみ日本語センター

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　今日（2013年6月10日）、西村昌也氏が交通事故でお亡くなりになったということを知りました。ほんとうに残念です。

　西村昌也氏に初めてお会いしたのは、大西和彦氏にお誘いいただいて、Thanh Hóa省の国道1号線から山のほうに数十キロ入った胡朝城(Thành Nhà Hồ)という遺跡に行くツアーに参加させていただいたときだったかと思われます。
（ご参考までに、胡朝城(Thành Nhà Hồ)に関しては、ハノイ歴史研究会の
http://hanoirekishi.web.fc2.com/kochoujyou1.html
胡朝城(Thành Nhà Hồ)
がわかりやすくまとめられているので、ご参照ください。）
　胡朝城まで行くまでは、だいぶ車が揺れ、また、スピードもそれほど出なかったため、かなりのんびりとした道中になり、（ベトナム南部ホーチミン市近郊の主要道路と比較して）思ったよりひどい道だな、と内心思っていたのですが、西村氏と大西氏は「以前と比較して格段に道が良くなった」という話題で盛り上がっていらっしゃったので、驚いた記憶があります。

　大変残念なことに、ツアーのときに西村氏と何をお話したのかはあまりよく覚えていないのですが、胡朝城に到着されてから西村氏がたんねんに陶磁器や土器のかけらを集めていらっしゃったことと、その次の日においしそうにトマトにかじりついていらっしゃったこと、ご当地のゾー(Giò)というベトナムのソーセージのような練り物をずいぶん褒めていらっしゃったことは記憶に残っております。のびのびとしていらっしゃったような印象があります。

　しかし、数年後にお会いした西村氏の印象は相当大きく異なるものでした。

　数年後にお会いしたときは、ベトナムに関する研究会に出席させていただいていて、末席でお話をおうかがいしておりました。考古学のご研究をされている研究者の方の発表があったのですが、ご同業の大先輩である西村氏のコメントは非常に厳しいもので、その研究者の方がショックで立ち直れなくなってしまうのではないかと思わされたぐらいのものでした。

　偶然、研究会の帰りに、そのときに発表された研究者の方と少しだけお話する機会があったのですが、「西村さんのコメントの厳しさは、多分に自分の不勉強のせいもあった。はっきりと西村さんに言っていただいたことは、自分のためになった。感謝している」という内容のお話をされていて、研究会という場で公然と厳しいコメントをされた西村氏と厳しいコメントを前向きにとらえていらっしゃる研究者の方の間で通じ合うものがあるのだな、ということを感じさせられた次第です。

　去年、ハノイ歴史研究会の方々が主催された講演会で西村氏のお話をおうかがいするチャンスがあったにもかかわらず、会社/センター関連の用事で出席することはできませんでした。

　西村氏がまさかこんなに早く、それも交通事故でお亡くなりになるとは思っておりませんでした。生きていらっしゃれば、ご活躍される機会もたくさんあったと思われます。ほんとうに残念です。あらためてご冥福をお祈りいたします。