5分でわかるベトナム経済危機2008年

 Anh Sao Co.,ltd(アンサオ)/のぞみ日本語センターです。ベトナムハノイで翻訳・通訳、コンサルティング・リサーチ、教育・研修等のサービスをご提供しています。

 当社/当センターのホームページは

http://www.anhsao.org
アンサオ人材開発会社(Anh Sao co.,ltd)/のぞみ日本語センター

です。よろしくお願いいたします。

ベトナム経済危機2008年

 去年後半からの止まることを知らないかのような物価上昇、預金/貸し出し金利の大幅な引き上げ、最近のベトナム通貨VNDの(実質)切り下げ、工業団地のストライキ等により、当社/当センターが受けているダメージはかなり大きいものがあります。先日はタンロン工業団地の日系企業から受注予定の日本語企業研修が、ストライキのためキャンセルになり、大きなショックを受けています。預金/貸し出し金利の大幅な引き上げですが、銀行から資金を借りている会社は金利の上昇に悲鳴を上げています。当社/当センターは(現在までのところは)自己資金で経営していますので直接の影響はありませんが、状況が苦しいことには変わりありません。

 ベトナムは長期的にみれば(5年〜10年くらいのスパンでみれば)依然として発展の可能性を大きく有しているものの、短期的にみれば(半年から1年くらいのスパンでみれば)経済危機に陥っているものと思われます。

 昨日(2008年6月18日)は

http://www.yahoo.co.jp/
Yahoo! JAPAN

のニュースにも取り上げられていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080618-00000000-dol-bus_all
忍び寄る通貨下落の危機 ベトナム経済が内包する“歪み”(2008年6月18日)

現場からの声をご紹介

 今回のベトナム経済危機に関しては、他の方々がブログで書かれているものがすでにかなりあります。現場発のブログのエントリーをご紹介、コメントすることで、おおまかにどのような様子かつかんでいただければ、と思います。

ハノイで駐在員をされている方のブログより

 ベトナムハノイで駐在員をされている方のブログ

http://blogs.yahoo.co.jp/vietnamhanoiguy/
ベトナムハノイ便りFrom Hanoi in Vietnam

よりご紹介します(他のエントリーも興味深く読めました、おすすめ)。

http://blogs.yahoo.co.jp/vietnamhanoiguy/42958380.html

激しい物価上昇とその原因( 2008年5月19日)

 今年に入って物価が激しく上昇しています。今年1月から4月で物価上昇率がもう既に去年1年間の上昇率に近づいてきています。今年の物価上昇率は22%近くになるという予想も出てきています。特にベトナムの主要輸出品目である農作物が30%近く値上がりしています。
 当社でもレンタカー代、警備費、従業員の昼食代、飲料水代、ダンボール箱代等々、あらゆるコストが今年に入って10%〜20%値上がりしました。その上、もう既に9月には再度最低賃金の引き上げが検討されているとのことです。この状態が続くと来年の昇給は現在に比べて30%近く上げないといけなくなります。

とのことです。農作物の値上がりは今年の冬の寒さの影響もあったとは思われますが、確かに値上がりが激し過ぎます。
 後半で物価上昇の原因について分析されています。このエントリーで述べられているように、独占企業等による不当・不法な買い占め、売り抜けが行われている(行われていた)のかどうか、行われているとしたらどのような物品でどの程度行われているのか、はっきりしたことは言えませんが、流通システムに大きな問題を抱えていることは確かだと思われます。

http://blogs.yahoo.co.jp/vietnamhanoiguy/43265725.html

ベトナムの労働者スト南部から北部へ広がる(2008年6月2日)

http://blogs.yahoo.co.jp/vietnamhanoiguy/43355474.html

ベトナム最大の日系工業団地でスト多発(2008年6月6日)

http://blogs.yahoo.co.jp/vietnamhanoiguy/43478878.html

収まらない違法スト(タンロン工業団地)(2008年6月12日)

 ソース(情報源)は明記されていませんが、日本側とベトナム側の生々しいやり取りが記されています。 

 タンロン工業団地では昨日ハノイ市行政の労働問題に関係する各省のトップを招いて、タンロン工業団地の企業側と広がる違法ストについて意見の交換をしたようですが、その席で日系企業側が「違法ストと働きたいワーカーの出勤を妨害する行為を厳しく取り締まってほしい。」と依頼したのに対し、ベトナムハノイ市行政側は「多くのストの原因は企業側にある。労働者の要求は全て正しい。日系企業が労働法をきちんと守って、労働組合を創り、充分に労働組合の活動を支援しないからこういうストの問題が起きている。現在起こっているストは違法ではなく、労働者は法律をよく知らないので正規の手続きをしていないだけだ。最近は物価上昇が激しくワーカーの生活は苦しい。給料は月100ドルぐらいは必要だ。最近労働力については需要の方が供給を上回っており、企業は給料を上げるのが当然だ。」との話にならない回答だったようです。
 これに対し、同席していた日本大使館の公使が、「ベトナム政府がこの違法なストを容認していることに日本政府として抗議します。現在の給与水準では労働者の生活が厳しいのが分かっているのであれば、すみやかに最低賃金を改正すべきです。労働者がストを起こす時の法的な手続きを知らないと言いますが、ベトナム政府として労働者に教育する義務があるはずです。タンロン工業団地はベトナム最大の日系工業団地であり、日本政府もこの異常な違法ストの多発に対してベトナムの行政がどのような対応を取るのか非常に注目しています。」と要望したところ、ハノイ市の行政側は怒った様子で、「最低賃金の改正は政府のすることで、ハノイ市のすることではない。企業はベトナムの労働法をもっとよく守り、労働者の生活が厳しいことを理解して労働者の要求に応えてやってほしい。」と一方的に話し合いを打ち切ったらしい。

 このようなことがほんとうにあったとしたら(あったのだと思いますが)、ニュースに取り上げられなかったのが不思議です。

http://blogs.yahoo.co.jp/vietnamhanoiguy/43614399.html
収まり始めた違法ストとそれから学ぶこと(2008年6月19日)

 大企業と中小企業の対応の違いを述べた箇所が興味深いです。後半に書かれていることはごもっともと思いました。

 当社/当センター日本人スタッフの知り合いの方の中には、会社に泊まりこんでほとんど不眠不休でストへの対応をされた方もいらっしゃったようです。おつかれさまでした。

ホーチミン市ベトナム南部を拠点にビジネスされている方のブログより

 ホーチミン市ベトナム南部を拠点にビジネスされている方

http://blog.goo.ne.jp/sumiresaigon/
GOVAP便り

のブログよりご紹介します。

http://blog.goo.ne.jp/sumiresaigon/e/4f6b1a47a36d2379bbf7b42d4ac50a1b
19.2%(2008年6月13日)

 預金/貸し出し利率引上げについてのエントリーです。

http://blog.goo.ne.jp/sumiresaigon/e/21084db23f78f4dc350305aa9cc7e58e

170ドン/円(2008年6月8日)

 両替レートの怪について書かれたエントリーです。

 それにしても、このブログを書かれている方のお仕事も大変そうです。

テレビの取材で来られた方のブログより

http://arfaetha.jp/ycaster/
YCASTER 2.0:伊藤洋一公式サイト

よりご紹介します。
 伊藤洋一氏がテレビ取材でベトナムを訪問したときのエントリーより、

http://arfaetha.jp/ycaster/diary/08/06/08.html
2008年06月08日(日曜日) ドル建てメニュー

http://arfaetha.jp/ycaster/diary/08/06/10.html
2008年06月10日(火曜日) きな臭い

で取り上げられています。

 ベトナムの英字新聞とご自分の見聞、他国との関係等から分析、コメントされているようです。