ベトナムの「子供の家」を支える会、小山道夫氏講演会で印象に残ったこと2つ

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ベトナムの「子供の家」を支える会、小山道夫氏講演会に参加しました

 今日の午前中、ベトナムの「子供の家」を支える会(略称JASS)代表、小山道夫さんの講演会に参加しました。

 ハノイボランティアネット(Hanoi Volunteer Net)の主催、VJCCハノイが会場でした。最初にハノイボランティアネット、VJCCハノイ、それぞれの代表者の方から簡単なあいさつがあり、それから、小山さんの講演がはじまりました。

 講演会は2時間半近く、小山さんの幼少時代から教員をされるまでのこと(ご家族を病気で亡くされたこと、学生時代のアルバイト体験、等)から、教員生活をしていた1992年はじめてベトナムホーチミン市ストリートチルドレンを見たときのショック、教員を辞めてベトナムに来るまでのこと、ベトナム中部の都市フエ(Huế)でストリートチルドレンを支える活動をスタートしてからのことを話されました。

 小山さんの講演で感銘を受けたことはいくつもあるのですが、当社/当センターのスタッフにとって特に印象に残ったことを2つ取り上げてみたいと思います。

小山さんの講演で特に印象に残ったこと2つ

  1つ目ですが、小山さんが次のようなことを話されていたことがとても印象に残っています。

 「子どもの家」でケアをしていた子どもたちは、幼少時に親に見捨てられた子が多い。親から満足な愛情を得ていないから、社会に出て大人に小突かれていると、子供のときはやり過ごすことができても、思春期になって自分を見つめるときになって、おかしくなってしまうか、自分を見つめられなくなる。そういう子どもは、自分と他人との違いや自分の未来について何も考えられない。フエの田舎から出てきた子どもはホーチミン市に行けばすぐ金持ちになれると単純に思い込んでいる。実際、「子どもの家」でケアをしていた子どもの中にも、「子どもの家」を家出してしまい、やくざの子分や売春婦になる子どもがいた。

 そこで、すべての子どもについて、それぞれの子どもの抱える事情を記したファイルを作成することにした。

 それまでは、子どもたちに十分に物をあげること、衣食住を満たすこと、学校に行かせることが支援だと思っていた。しかし、子どもを人間として育てなければならないと考え直した。
 まず、子どもの光るところを見つけて、子どもが社会で自立、自活できるようにすることを考える。
 そして、親の愛情の代わりになる得る(可能性がある)ものとして、子供に文化を体験させる。
 ビールやピアノのように、文化と言うのは長い月日をかけて、いろいろな人が苦労して作り上げたものである。最初から人類に与えられたものではない。文化の学習を通して、人間性を取り戻させ、心のケアをする。例えば、絵のクラスではフエ芸術大学の先生を講師として招いている。
 現在の「子どもの家」は、3分の1は子ども(や職員)の住居、3分の2は文化センターにしている。

 2つ目ですが、自立ということに関する小山さんの考えです。

 JASS(ベトナム「子どもの家」を支える会)の展望として、自立ということに3種類ある。

  1. 子供の自立。それぞれの子どもの良いところ、適性を見て、高校や大学進学のための勉強や音楽、絵の実技指導、職業訓練などを行う。
  2. 支援金を子供の自立を助けるために(現場に)届けることが難しい、その意味での自立。ベトナムでは海外支援は利権として狙われやすい。支援金を取られたことは何度もある。ベトナム人スタッフを育てて、支援金を横取りされないように戦う(ことが必要)。参考までに、JASSのベトナム事務所長は3年前からベトナム人で、代表がベトナム人であるNGOはJASSが最初。
  3. 財政の自立。1年に約1500万円かかっているが、日本からの支援金に頼っているところがあるので、財政的にも(徐々に)自立できるようにしたい。スタディツアーで来られる方々への観光事業、日本料理店、縫製工場をしている。縫製工場では60人働いていて、JASS INTERNATIONALというブランドで女性向けの服をつくっている。

 (当エントリーのこの項の記述は、主に当社/センターの日本人スタッフが講演当日にとったメモと記憶にもとづいています。可能なかぎり正確、かつ、適確な記述を心がけていますが、もし間違いや誤解等がありましたら、ご指摘いただければ幸いです。)

ありがとうございました

 実は、以前(数年前?)、当社/センターの日本人スタッフは、日本での小山さんの講演会に参加したことがあります。今回の講演会に参加して、そのときにお話されていたことがどのように進展したのかということも知ることができ、とても感慨深かったです。また、ベトナムで講演するということの制約があり、そのようなことを十分考慮された上で小山さんがお話されなかったこともあったのではないかとも思いました。

 講演会を主催してくださったハノイボランティアネットの方々、VJCCハノイの関係者の方々、そして、講演をしてくださった小山さん、どうもありがとうございました。

参考情報

http://koyamamichio.com/
ボランティア・ストリートチルドレンベトナム 小山道夫火炎樹日記

 小山道夫火炎樹日記、ほぼ毎日更新されています。当エントリーで取り上げたベトナムハノイの講演会はこちらに記されています。

http://www001.upp.so-net.ne.jp/jass/
ベトナムの「子どもの家」を支える会(JASS)

 ベトナムの「子どもの家」を支える会(JASS)のホームページです。

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