日本語能力試験改定についての説明会に参加しました

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日本語能力試験改定についての説明会に参加しました

 今日の午前中、当社/当センターのスタッフは、ハノイ国際交流基金ベトナム日本文化交流センターで行われた「日本語能力試験改定についての説明会」に参加しました。

 本題とはあまり関係ありませんが、関係者の方がセミナー進行の際に言われたことが気になったので、書き留めておきます。

 午後にあった説明会のことは把握していませんが、午前中の説明会では「今回の説明会は非公開の説明会であるから、写真撮影等は遠慮していただきたい」という内容のご注意があったようです(関係者の方々、他の参加者の方々、そのような注意はなかったということでしたら、お手数をおかけして申しわけありませんが、お知らせいただけませんか。当社/当センタースタッフの聞き間違いでしたら、大変申しわけございませんでした)。

 当社/当センターのスタッフは、JAPAN FOUNDATIONのロゴ、および、センター長のお名前が記載されているご案内状をいただき、ハノイ日本語教育機関に属する者として参加申し込み書を受理していただいたのではなかったのではないでしょうか。

 内容に関しても、新しい日本語能力試験改定の概要をご説明されるというものであり、特に「非公開」にすべき理由、秘密にすべきような事項はなかったのではないかと思われます。

 説明会のお知らせや当日の説明会の内容からしますと、むしろ日本語能力試験改定の概要を公表、公開されるための説明会だったのではないでしょうか。

 独立行政法人国際交流基金がお考えになっている、ご想定されている「非公開の説明会」なるものの意味するところは、当社/当センターの感覚と非常に大きく異なるのかもしれない、と思わされました。

日本語能力試験改定についての説明会の内容

 当社/当センターのスタッフのメモによりますと、以下のようなご説明がありました。

  • 2010年以降、新方式の日本語能力試験が行われる。
  • 現行試験の2級と3級の間に「N3 レベル」というものが新設される。
  • (結果として、)現行試験の3級は「N4レベル」、現行試験の4級は「N5レベル」に繰り下がる。
  • 現行試験では素点をそのまま点数としていたが、新方式では得点を統計的に処理する(ただし、処理方法の詳細は説明がないため不明)。
  • 新方式の日本語能力試験合格者が持っている日本語能力でできることを「日本語能力試験Can-doリスト」(仮称)としてリストアップする(説明が一通り終わった後での質疑応答で質問が集中、他の参加者の方々にとっても具体的な内容が把握しにくかったようです)。
  • 聴解試験の比重が上がる(現行試験は1/4であるが、新方式の試験では1/3)。
  • 新方式での問題形式の変更点(かなり詳細な説明がありました)。

 説明が一通り終わった後での質疑応答では、日本語能力試験受験指導のための「N3 レベル」の具体的内容、「日本語能力試験Can-doリスト」(仮称)、漢字の出題範囲の目安、等について質問がありました。国際交流基金ベトナム日本文化交流センターの所長である吉川氏が、上手に会場の質問を受けながら司会をされていて、感銘を受けました。

 関係者の方々、お知らせ、参加させていただき、ありがとうございました。

日本語能力試験改定についての説明会に参加しての感想

 新方式での問題形式、問題例は、日本語知識重視から日本語能力運用重視に向けてよく考えられている出題である、と感じさせられました。

 しかし、一方で、

  1. 課題遂行の言語コミュニケーション能力というのがどのようなものをさすのか。
  2. 課題遂行の言語コミュニケーション能力とうたっているにもかかわらず、インタビューテストや会話テストがない、筆記試験も記述式のテストがない。
  3. ということであれば、課題遂行の言語コミュニケーション能力をみるために十分なテスト形式になっているかどうか疑問を感じざるをえない。

ということも思ってしまいました。

 現行方式と比べますと日本語能力運用をより重視する出題になったとはいえ、日本語能力試験受験者の会話能力や記述能力を直接に、実際に試す試験形式にはなっていません。ですので、日本語能力試験の基本的な性格そのものが変わったわけではなく、日本語知識重視のテストを抜け出ていないと見るべきではないかと思われます。

 それにしても、新方式での問題形式、問題の変更は、かなりの箇所にのぼるようで、新試験移行にともない、ベトナムでは2、3年くらいは混乱が続くかもしれません(予想が外れることを願っていますが、、)。また、これから新方式向けの日本語能力試験対策本も売れそうです。

独立行政法人国際交流基金のホームページ(2009年8月20日

 独立行政法人国際交流基金のホームページでは、2009年7月付で新方式の日本語能力試験の詳細が公開されています。日本語教育関係者の方でしたら、おそらくご存知ではないでしょうか、

http://www.jlpt.jp/j/about/new-jlpt.html
新しい「日本語能力試験」ガイドブックと問題例集

です。日本語教育関係者の方、在ベトナム日系企業でスタッフやワーカーの研修を担当されている方、まだご覧になっていないようでしたら、当エントリーだけでなく、上記リンク先もご参照いただけますようお願い申し上げます。

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