第21回ハノイ日本語教育セミナーに参加しました

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http://www.anhsao.org
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第21回ハノイ日本語教育セミナーに参加しました。

 2009年11月15日、VJCCハノイで第21回ハノイ日本語教育セミナーが行われました。当社/当センターのスタッフも参加させていただきました。

 今回のセミナーは2つのパートに分かれていて、前半はハノイ大学(旧ハノイ外国語大学)の日本語講師が発表された

  • 「即興スピーチにおけるピア活動の影響」
    ハノイ大学の「話す授業」の改善を目指して

というタイトルのもの、後半は国際交流基金ベトナム日本文化交流センターの日本語教育専門家が発表された

というタイトルのものでした。

 当社/当センタースタッフにとっては、(どちらかと言いますと、)前半の発表のほうがより興味深い内容に感じられました。

 前半の発表は、

  • 日本語発話(/表現)能力で、まとまった内容の話をかなり短い準備時間で(やや即興的に)話すことの難しさに着目。
  • 即興スピーチ(やや即興的なスピーチ?)をする際、クラスで学習者間でのやり取りや相互チェックというプロセスを加えることにより、そのプロセスの前後でどのようなことがどのくらい変化したのか(または、変化しなかったのか)ということを課題に設定。
  • ハノイ大学で数回の実験授業を行い、得られたデータや知見を(先行研究等を参考に)記述し、考察、まとめたもの。

のように思われました。

 発表者の方は実際にハノイ大学の会話授業を担当されている方のようですが、ハノイ大学日本語学部の関係者の方々、講師の方々、学生さんを当日あまり(ほとんど?)お見かけしなかったように記憶しています。大変失礼なコメントかとは思うのですが、ハノイ大学日本語学部の関係者の方々はそれほど深いご関心を持っていらっしゃらないのかもしれません。もしほんとうにそうだとしましたら、残念なことです。
 発表された方の取り組みがハノイ大学の他の日本語講師の方々に理解され活用されること、ハノイ大学のカリキュラムに良い形でいかされることを願っています。

(ご参考までに、当社/当センターの現時点での理解では、「ピア活動」というのは、「教室で学習者同士がお互いにやり取りしながら、協力しながら学ぶ方法」のことのようです。同様な意味の用語として「ピア・ラーニング」という用語もあります(当社/当センターの研究不足もあり、どのように使い分けられているのかはよくわかりません)。ここ数年、日本語教育では重要キーワードの1つになりつつあるようです。また、「ピア活動」という用語の「ピア」というのは、英語の"peer"ということばからでして、「仲間」という日本語に近い意味のことばのようです。)

 後半の発表は、2010年以降実施される新方式の日本語能力試験の概要や構成、問題例のご説明でした。
 とてもわかりやすくお話しされていたことが印象に残っています。
 もっとも、当日いただいた配布資料、使われていたプレゼンテーション資料ですが、7月31日に行われた説明会で使用されたプレゼンテーション資料と(ほぼ)同一のものが多数あったのではないでしょうか。発表されていた内容そのものも、以前ハノイ国際交流基金ベトナム日本文化交流センターで行われた「日本語能力試験改定についての説明会」とほぼ同一内容であったように思われました。

 関係者の方々、ありがとうございました。

関連情報

 前半の発表に関して、

http://www3.grips.ac.jp/~jlc/files/ronshu2009/Ngyuen.pdf
「即興スピーチにおけるピア活動の影響」―ハノイ大学の「話す授業」の改善を目指して―

 前半の発表者による論文。PDFファイルです。当日いただいた配布資料とほぼ同一のものかもしれません。

http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/tsushin/reserch/033.html
ピア・ラーニング Peer Learning

 「ピア・ラーニング」の解説記事。国際交流基金のホームページ内にあります。

 後半の発表に関して、
 当ブログの

http://d.hatena.ne.jp/anhsao/20090731
日本語能力試験改定についての説明会に参加しました

というエントリーもご参照ください。

第21回ハノイVJCC日本語教育セミナーの写真

 ハノイVJCC日本語教育セミナーの様子を当社スタッフが撮影した写真でご紹介します。


写真1 前半の発表者の方のプレゼンテーション資料より

 ピア活動中のフィードバックを分析されている箇所です。


写真2 後半の発表者の方のプレゼンテーション資料より

 2010年より実施される新方式の日本語能力試験と現行試験(2009年まで実施されている試験。2010年以降は旧試験と呼ばれるようになるかもしれません)との対応関係を説明されている箇所です。
 現行試験の2級と3級の間に「N3 レベル」というものが新設され、(結果として、)現行試験の3級は「N4レベル」、現行試験の4級は「N5レベル」に繰り下がるということのようです。

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